数字で見る交通事故　2017年（平成29年）の埼玉県蕨市の交通事故

埼玉県蕨市の概要

埼玉県蕨市は、江戸時代には中山道の宿場町として栄えた、埼玉県南東部に位置する都市で、総人口75,195人を有します（※2018年の蕨市住民基本台帳人口12月1日現在）。
蕨市は全国の市のなかでも、最も面積が狭い市です。その面積は5.11平方キロメートル。人口密度が全国の市町村でも最も高い市といわれています。
蕨市を通る主な道路には、国道17号、県道110号（川口蕨線）、県道111号（蕨鳩ヶ谷線）、県道117号（蕨停車場線）、県道235号（大間木蕨線）、県道236号（新倉蕨線）などがあります。

2017年（平成29年）の埼玉県の人身交通事故

最初に、埼玉県警察が発表した2017年12月末現在のデータをもとに埼玉県全体の2017年（平成29年）の交通事故を紹介します。

• 埼玉県の交通事故死亡者数は「177人」で、全国ワースト2位。前年の151人から26人増と大幅に増加
• 県内の人身交通事故は「26,276件」（前年は27,816件で前年比1,540件減）
• 交通事故の負傷者数は「32,022人」（前年は34,212人で前年比2,190人減）
• 物損事故件数は「142,300件」（前年は138,869件で前年比3,431増）
• 夜間の死亡事故件数が110件（死亡事故全体の62.1パーセントを占める）
• 高齢者の死者数が95人（高齢者が死者数全体の5割超を占めている）
• 歩行中の死者数が70人（前年比で15人増と大幅に増加）

全国的な傾向と同様に、埼玉県も人身事故件数と負傷者数は減少傾向で、特に人身事故件数は1986年以降、最少の発生件数でした。その一方で死者数の大幅増加が目立ち、高齢者と歩行者の死者数が増えています。また物損事故の増加も目立ちました。
同年の交通事故の死者数は全国で3,694人でしたが、埼玉県の死者数177人は全国で「ワースト2位」でした（ワースト1位・愛知県200人、ワースト3位・東京164人、4位・兵庫161人、5位・千葉県154人）。
人口の多い埼玉県では、人口10万人あたりの死者数は少ない傾向があり、死亡事故の発生率は「2.44」（人口10万人あたりで2.44件）です（全国ベスト5位）。ちなみに同統計の１位は東京都の（1.21）、2位・神奈川県（1.63）、3位・大阪府（1.70）、4位・宮城県（2.19）です（参考：『交通安全のために~平成29年中の交通事故から~』埼玉県警察本部交通部交通総務課）。

埼玉県蕨市の交通事故

埼玉県警交通総務課は、県内で発生した交通事故の統計資料を発表しています。それらをもとに、蕨市を含む2017年に起きた市区町村別のデータを独自の分析も交えてご紹介します（注：ここでは埼玉県警発表の『市区町村別交通事故発生状況（平成29年12月末）』等に基づき作成していますが、同データでは高速道路上等のデータが含まれず、前述の県全体のデータと一部数値が異なる場合があります）。

蕨市の人身交通事故の発生件数は「185件」。「県内ワースト38位」

2017年に蕨市で発生した人身交通事故の発生件数は「185件」でした。これは前年の2016年の発生件数に対し「7件の減少」となりました（埼玉県全体では1,517件のマイナス）。市区町村別で比較すると、蕨市の事故発生件数は「ワースト38位」となっています。なお、県内のワースト件数はさいたま市の4,050件でした。

埼玉県の市町村別「人身交通事故 発生件数」ワースト順位

蕨市は「交通事故死者数ゼロ」を３年半以上更新中

蕨市の交通事故死者数は「ゼロ」でした。この記録は以前から引き続いての記録です。ちなみに2018年12月13日を基準日とした埼玉県警の記録によると、蕨市では2015年6月15日以来、死亡事故ゼロを1,277日更新中です。
県内市町村別で見ると、鳩山町が死亡事故ゼロの最長更新日数の3,601日、２位・皆野町（2,943日）、３位・小鹿野町（2,694日）、4位・東秩父村（2,017日）、５位・ときがわ町（1,295日）、6位が蕨市の1,277日です（※すべて2018年12月13日を基準日とした発表）。
また、警察署別で見ると、１位が小鹿野署（2,623日）、２位・小川署（628日）、3位・杉戸署（341日）、4位・大宮東署（340日）、5位・行田署（310日）です。蕨署管内では2018年5月10日に死亡事故が発生し217日の11位となっています。
なお、県内死亡者数のワーストはさいたま市の22人。死者数の増加もさいたま市の9人の増加でワーストでした。

埼玉県の市町村別・交通事故「死者数」ワースト順位

ワースト順位	市区町村	2017年死者数	2016年	増減数
1	さいたま市	22	13	9
2	川口市	12	11	1
3	越谷市	10	7	3
4	久喜市	9	8	1
5	川越市	8	5	3
5	草加市	8	3	5
7	熊谷市	7	7	0
7	所沢市	7	2	5
7	春日部市	7	5	2
7	狭山市	7	6	1
11	行田市	5	3	2
1	東松山市	5	2	3
11	鴻巣市	5	2	3
14	秩父市	4	2	2
14	加須市	4	4	0
14	三郷市	4	0	4
17	飯能市	3	4	-1
17	本庄市	3	3	0
17	朝霞市	3	3	0
17	和光市	3	0	3
17	新座市	3	2	1
17	八潮市	3	3	0
17	日高市	3	5	-2
17	ふじみ野市	3	1	2
25	羽生市	2	3	-1
25	深谷市	2	5	-3
25	松伏町	2	2	0
28	上尾市	1	4	-3
28	戸田市	1	1	0
28	入間市	1	1	0
28	桶川市	1	1	0
28	北本市	1	2	-1
28	蓮田市	1	4	-3
28	坂戸市	1	2	-1
28	幸手市	1	1	0
28	三芳町	1	1	0
28	毛呂山町	1	0	1
28	滑川町	1	1	0
28	嵐山町	1	0	1
28	吉見町	1	1	0
28	長瀞町	1	0	1
28	美里町	1	0	1
28	上里町	1	0	1
28	寄居町	1	1	0
-	蕨市	0	0	0
-	志木市	0	1	-1
-	富士見市	0	1	-1
-	鶴ヶ島市	0	1	-1
-	吉川市	0	1	-1
-	白岡市	0	2	-2
-	伊奈町	0	1	-1
-	越生町	0	0	0
-	小川町	0	2	-2
-	川島町	0	2	-2
-	鳩山町	0	0	0
-	ときがわ町	0	0	0
-	横瀬町	0	1	-1
-	皆野町	0	0	0
-	小鹿野町	0	0	0
-	東秩父村	0	0	0
-	神川町	0	1	-1
-	宮代町	0	2	-2
-	杉戸町	0	1	-1
	計	171	147	24

※埼玉県警発表の『市区町村別人身事故発生状況（平成29年末）』より独自作成（高速道路上の事故を除く）

蕨市の交通事故負傷者数は「219人」で「県内ワースト39位」

2017年の蕨市の交通事故負傷者数は「219人」でした。この負傷者数は前年と比べると8人の減少です。市町村別で負傷者数を比較すると、同市の負傷者数は蓮田市225人と志木市215人の間です。ちなみに、同年の負傷者数のワーストはさいたま市の4,821人です。

埼玉県の市町村別・交通事故「負傷者数」ワースト順位

ワースト順位	市町村	2017年負傷者数	2016年	増減数
1	さいたま市	4,821	5,134	-313
2	川口市	2,403	2,402	1
3	川越市	1,690	2,050	-360
4	所沢市	1,402	1,503	-101
5	越谷市	1,348	1,533	-185
6	草加市	1,172	1,258	-86
7	熊谷市	1,076	1,182	-106
8	上尾市	1,057	1,123	-66
9	春日部市	1,051	1,113	-62
10	深谷市	773	709	64
11	久喜市	766	859	-93
12	三郷市	726	811	-85
13	狭山市	593	616	-23
14	入間市	592	601	-9
15	本庄市	583	681	-98
16	戸田市	568	647	-79
17	新座市	547	556	-9
18	加須市	531	485	46
19	東松山市	497	445	52
20	行田市	479	545	-66
21	八潮市	443	464	-21
22	鴻巣市	401	413	-12
23	坂戸市	396	415	-19
24	朝霞市	378	415	-37
25	羽生市	373	412	-39
26	富士見市	362	386	-24
27	飯能市	348	335	13
28	幸手市	346	308	38
29	鶴ヶ島市	334	361	-27
30	ふじみ野市	324	379	-55
31	桶川市	316	360	-44
32	和光市	298	318	-20
33	秩父市	288	281	7
34	日高市	277	205	72
35	北本市	249	237	12
36	吉川市	247	291	-44
37	上里町	229	276	-47
38	蓮田市	225	265	-40
39	蕨市	219	227	-8
40	志木市	215	208	7
41	杉戸町	203	234	-31
42	伊奈町	202	205	-3
43	白岡市	199	231	-32
44	三芳町	161	243	-82
45	川島町	153	125	28
46	毛呂山町	148	159	-11
47	松伏町	113	116	-3
48	宮代町	110	108	2
49	寄居町	105	126	-21
50	滑川町	102	88	14
51	吉見町	90	83	7
52	小川町	89	119	-30
53	嵐山町	82	84	-2
54	美里町	74	89	-15
55	皆野町	44	37	7
56	神川町	43	73	-30
57	鳩山町	39	42	-3
58	ときがわ町	39	35	4
59	横瀬町	34	42	-8
60	長瀞町	28	28	0
61	越生町	23	37	-14
62	小鹿野町	19	30	-11
63	東秩父村	3	8	-5
	計	31,046	33,151	-2,105

※埼玉県警発表の『市区町村別人身事故発生状況（平成29年末）』より独自作成（高速道路上の事故を除く）

この記事を書いた人　弁護士 植木竜太

埼玉弁護士会（登録番号：48476）
相続・遺産分割・遺留分、離婚・不貞、交通事故、法律顧問などの経験が豊富で、個人・法人問わず幅広い分野の法律相談を積極的に行っている弁護士。